2013/09/13

テスト

9がつ 13にち きんようび

9月ももう半ばに入りました。

9月は活動の締めくくり。10月にはもう学校が終わります。

活動の締めくくりは、学力テストの実施。

今は5校を回っているため、5校の全校児童、約1,000人に学力テストを実施中です。

活動始めの頃、テストをしなければ!という考えが全くなく、最初の年のデータがありません。

次の年も全校児童に実施することはできず・・・。

本当にダメダメでした。


今年に入り、グアテマラの小学校教諭ボランティアは活動校の児童を対象に学力テスト実施していこう、ということが正式に決まり、毎日せっせとテストを行う日々です。

テストをして気が付いたこと。

子どもたちが、以前ならった内容をもう忘れちゃっていたこと。

先生が教えた形跡はある。

けれど、子どもたちは答えられなかったり、計算の仕方を間違えていたり。

どの学校でも、どの学年でも、同じことが起こっている・・・。


確認してみると、学期ごとにテストをして、それが終わればもう復習しない。とのこと。

そりゃ忘れちゃうよ・・・。


たとえそのテーマが終わってしまったとしても、基本の四則計算は定期的に復習するなり、宿題に出すなりしないと子どもたち忘れちゃうよ、と伝える私。

遅い。

こんな基本的なところに気が付けなかった自分が情けない。

先生たちも、子どもが忘れる、ということはわかっているのに、それをどうすれば防げるか考えず、

「私はちゃんと教えたけど、子どもが忘れちゃったのよ、困ったものよ!」と言い・・・。

私が伝えると、「あ、そうか!これからはそうするよ!」と言う・・・。

あぁ・・・。



子どもたちに学力テストをしながら、私は自分の活動のテストも行っていた。

でも結果はよくない。

先生の算数理解力が向上すれば、そして、GUATEMATICAの指導法を理解できれば、

先生の指導法も少なからず良くなり、子どもの成績もアップすると考えていた。

でも甘かった。

まだまだ、全然足りなかった。


どどど~ん、と落ち込みながら、でも次へのバトンタッチには光が見える。

今度は個人個人の先生方へ、もっと丁寧な支援ができれば、きっともっと変わってくるはず。

広く浅くだった私の活動、深いのはフローリー一人の一点集中。

狭く深く、がこれからは必要なんだと思う。

次から次へ新しい課題は増えていくし、欲も増す。

もっとこうしておけば、ああしておけば、と考えることもあるけれど、

そう思えるのは、少しは成長した証といえるのかな。


できなかったことだらけ。でも、私がいなくなっても、

カンテルの先生の中には想いを引き継いでくれる人もいる。

これからはその想いがもっと周りへ広がっていくように働きかけていけたら、もっと大きな変化がやってくると信じたい。

次のボランティアへのバトンタッチ。

うまくバトンがつながっていけばいいな。



あと、もう一つ、改めて学校を回っていて思ったこと。

家庭環境が子どもに与える影響の大きさ。

もちろん、全てのケースに当てはまるわけではないけれど、

落ち着きがなかったり、逆にずっとぼけ~っとしていたり、

計算が全くできなかったり、文字がうまく書けなかったり、

友達や先生に反抗的な態度をとったり・・・。

なにか気になるな、この子。と思って先生に尋ねると、必ず家庭環境に問題がある。

親がアルコール中毒、虐待、両親の不仲、不倫問題、栄養不良、不衛生、、、


グアテマラは小学校でも留年制度が適用されるため、ある学校では5年生の教室に15歳になる男の子もいました。

学校には来るけれど、授業は全く聞いていない。勉強が嫌い。他の子どもをいじめる。

先生には反抗的な態度をとり、他の子どもたちもそれを見て真似をする。

勉強をしないので、また留年する・・・。

両親を呼んで話をしても、母親は私じゃ言うことを聞かないから父親じゃないとだめだといい、父親は子育てのことは母親に任せているから俺は何も言わないと言う。

責任のなすりつけ合いで、結局どちらも子どものことなんて考えてない。


他の学校では、4年生を2回やっている男の子がいました。

父親はお酒飲んでばかりで働かず、男の子は母親を助けるため学校へ行きながら仕事をする日々。

お酒を飲んだ父親は、男の子が自分の言うことを聞かなかったら手首を縛って叩く、という虐待を行っていたそうです。

男の子は周りの同級生よりも少し体が大きいので、なにか気に入らないことがあると友達にもすぐ手をあげ、泣かせていました。

自分がされるのと同じように。

当時の担任の先生は、その子を特別視して、いくら宿題をやってこなくても丸をあげていたそうです。

勉強をしなくても丸をもらえるとわかったその子は、それに慣れてさらに勉強しなくなりました。

特別視したかった先生の気持ちはよくわかります。

でも、その愛情の注ぎ方は本当の意味で子どものためにはなっていない。

愛情は足りなくても、行き過ぎてもダメなんだと実感した出来事でした。


子どもは本当に素直です。

言葉には表さなくても、SOSを送っている。

無邪気な笑顔の奥で、
たくさんのものを子どもたちは背負って生きているんだと、そう思うと心が締め付けられます。

カンテルの町の中と山の奥、場所によって全くカラーが違います。

町の中だと、毎朝お風呂に入れてもらって清潔な姿で制服を着て登校する子どもたちが多いですが、

山の奥の方になると、

ぼさぼさの髪、穴の開いた服、破れた靴、黒く汚れた手、体を洗っていないためにする独特のにおい。

そんな子どもたちがたくさんいます。

学校で出されるアトルと呼ばれる飲み物と、パンが彼らにとって大切な栄養源。

朝もしっかりとご飯を食べて学校へ来る子どもたちは少なく、すぐに集中力は切れていまいます。

朝、寒い中、暖かいジャンバーも身に着けず登校してくる子どもたち。

かじかんだ手を温めることから学校の一日は始まります。


学力が伸びないのは、学校だけの問題じゃない。子どもを取り囲む様々な環境がそれを難しくさせていることもある。

でも、それでも、何か一つ変われば他だって変わっていく。

少しずつでも、良い方向へ変化していきますように。

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